I LOVE YOU, 唇噛んだ

ジャンル問わず色々つらつらと

No.286

『おっ、コメディじゃない映画にアシュトン出てるんだ~最近アクションかラブコメばかり観てたから久しぶりにサスペンスを観てみよう』という軽い気持ちでレンタルしてみたんですが、映画として内容が凄かった。よく出来てる。
そして延々と続く衝撃で見終えたあとの疲労と頭の中を駆け巡るシーンのフラッシュバックが凄いので感想ぶちまけにきました。笑




パッケージの裏にあった粗筋を読んでいても中々内容がわからなかったんですが、観てしまえば成程と合点がいきました。話に入り込みやすかったです。
度々記憶を失ってしまう主人公のエヴァンは、治療の為に7歳から毎日日記をつけて行きます。
成人してからは記憶を失う症状は無くなったかに思えたのですが、ある時日記を読み返してから過去の事を思い出します。愛する女の子カイリーの身に起こった事を悔み、エヴァンは過去を変えれば今を変えられる、と考えるのです。
“過去に戻る”ために重要なのが、日記。これで記憶を呼び起こして過去に行く。そして幸せな展開を目指して過去を変えて行く、というのが基本的な物語です。

『あの時ああしてれば』っていう事をエヴァンは過去に戻ってします。観ている側としてはエヴァンが行動する度に『ああ、今度こそ幸せな現在が…!』と思うんですが、そう簡単にはいきません。タイトルにもなっている“バタフライ・エフェクト”、つまり在る場所で蝶が羽ばたくと地球の裏側で竜巻が起こるという理論のように、エヴァンが過去を弄る度に大切な人の身(もしくは自分自身)に何かが起こるのです。
エヴァンは皆幸せになれる未来を目指す訳ですから、何度も何度も過去に戻ります。その度に息を呑む展開があるものですから、映画を見終える頃には驚き疲れてしまって…。笑
ラストは、エヴァンが最初に望んでいた現在ではありませんでした。しかし、何度も過去をやり直して学んだ結果から生じた、最高のハッピーエンドでしたね。“最も切ないハッピーエンド”という謳い文句が本当にピッタリでした。
要は、エヴァンとカイリーって絶対に2人で一緒に幸せにはなれないんですよね。どんなに愛していたとしても。愛してる、幸せにしたい、って気持ちだけじゃ一緒になれない事も世の中にはある。そんな事を教えられた様な気がします。

それにしても1番大元の記憶の皆、荒み過ぎてて観てて『嫌な子どもたちだな…』と思いました(笑)
子役の子たちが吸っていたのは何だったんだろう。まさか本当にタバコは吸わせないだろうからフェイクだと思いますけれども。
何と言ってもトミーの狂気染みた行動が本当に怖かった。身長は低いのに、13歳で大の大人に掴みかかってまずパイプで顔面殴ってからボッコボコに殴ったり、友人を何の躊躇いも無くボコボコにしたり、袋に入れた犬にガソリン撒いて火を点けて燃やしたり。皆が恐れるのもわかるなぁ…って感じでしたね。
しかし、トミーがカイリーに抱いていた感情はやはり近親相姦のそれだったんでしょうか。
だよなぁ、じゃないと妹が男にキスされたからってあそこまでキレないよなぁ…。

エンディングの別パターンも観てみましたが(最初は恐ろしいバッドエンドが出てきたらどうしよう…と大分観るのを躊躇ってしまったんですが)、やはり映画に使用されたエンディングが1番良かったですね。監督たちのコメントも観て、『ですよね~』と同意してしまいました。
うん、とにかく衝撃の連続で見終えた後に凄い疲労がきますが(笑)、とても良く出来た映画でした。オススメ。
畳む

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